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桜の季節が巡っても~追憶~
第39章 朝帰りの出来事1(再編済)
「悪気はないんだから、許してあげなさいよ。いつもあなたが心配なだけよ」
-ちょっと大袈裟だけどね。
溜め息を吐いた泉夏に、絢子は笑う。
花が咲いたようなそれに、泉夏の怒りも萎んでゆく。
「…分かってる」
そんな事、ちゃんと。
兄がどれだけ自分を思って。
どんなに心配してくれているか。
そんな事も分からぬほど愚かではない。
けど。
でも-。
「…ちょっと、うざいんだよね」
漏らされた娘の本音に、絢子は喉を鳴らした。
「涼の中では、あなたはいつまでも幼稚園児か小学生のままね。もう二十歳《はたち》になったし-」
-恋も覚えた、立派なおとななのにね。
さらりと付け足された言葉に、泉夏は目を丸くする。
「彼氏とお泊りしたいの、泉夏」
意地の悪い笑顔で、絢子は娘を覗き込む。
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