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桜の季節が巡っても~追憶~
第40章 朝帰りの出来事2(再編済)
「朝帰り娘がなんでここにいんの?」
ネクタイを手にした彼が意地悪く口元を歪め、立っていた。
「嫁の貰い手がなくなるって、涼に言われなかったか?」
え、マジでご近所の噂の的?-動揺する泉夏に、龍貴は爆笑した。
なんで分かるんだろう-図星を指され、泉夏は何も言い返せない。
「当たってるだろ?」
勝ち誇った顔で、龍貴は泉夏の隣りに多少乱暴に腰を下ろす。
「涼がいかにも言いそうな台詞だよ。ご近所に恥ずかしいとか、帰りが早過ぎだとか」
まるでその場にいたかのように、見事に当たってる-改めて、やっぱり只者じゃないと思ってしまう。
ネクタイを結ぶ彼の顔と指を交互に追っていれば、視線に気付いた龍貴の両眼が微かに狭まる。
癪なので、泉夏は先回りする。
「…俺のかっこ良さには見惚れてないです」
「その割に、随分な視線を感じたけど」
こちらを誘うような龍貴の表情に、不覚にも胸が大きく波打ってしまう。
だから、そういう顔で見ないでってば!-どぎまぎしながら、泉夏はなんとか心臓を落ち着かせようとする。
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