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桜の季節が巡っても~追憶~
第41章 朝帰りの出来事3(再編済)
赤信号で停まっていた車も、再び走り出している。
もう少し早く気付いていれば、降りる事も可能だったろうに。
次の信号で降らしてもらおうか-ひとり心の中で逡巡していると、龍貴の声が届く。
「お前の心の中を当ててみようか」
焦って、泉夏は彼を窺い見る。
「『有栖川先生とのデートの場所まで、選《よ》りに選《よ》って龍に送ってもらうだなんて。私ってなんてやな女なんだろ?自分の最低さを恨んでも恨み切れない』」
-そんな感じ?
龍貴は鼻で嗤った。
けれど突き刺さってくる話の内容とは裏腹に、とてつもなく、この上なく、優しい横顔だった。
「馬鹿か、お前は」
「…だって」
呆れたように吐き捨てられたが、泉夏は何も言えない。
項垂れる彼女に向けて、龍貴は続けた。
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