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桜の季節が巡っても~追憶~
第42章 デート前の波乱1(再編済)
「読むの早いよ、先生」
先に読み始めていた自分は、まだまだ最初に栞を挟んだまま。
悔しくなって、泉夏は八つ当たり気味に呟いてしまう。
秀王はそれを微かな笑いで受け止め、彼女の頬に右手を添えた。
「お家のひとは大丈夫だった?」
「…うん」
本当はここに来るまでに兄とひと悶着あったのだが、その事実は告げずに泉夏は小さく頷く。
色々なあったけど、結果的にこうしてまた戻って来れたから。
「良かった。ちょっと遅い気がしてたから、何かを言われてるんじゃないかって心配してた。だとしたら申し訳ないなって」
秀王が安堵の表情を見せ、わざわざ喋る必要などなかったと泉夏は改めて感じた。
「何も…言われてない。遅くなってごめんなさい」
「可愛くするのに、時間をかけてきたの?」
笑って、彼は泉夏を見詰めた。
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