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桜の季節が巡っても~追憶~
第42章 デート前の波乱1(再編済)
「髪も服も、煙草の匂いがついてるね」
自分の中でどうにか終わりとした話が突如として始まり。
秀王は戸惑うしかない。
「先生との初めてのデートの為に着て来た、新しい服なのにな」
微笑まれるが、秀王はやはり返す言葉が見付からない。
ベッドの上に置かれた鞄から化粧ポーチを取り出すその顔は、しかし口で言う程決して嫌がっていなかった。
ただその横顔を眺めていれば、やがて彼女は自らの肩や腕に鼻先を寄せた。
煙草とは異なる、別の何か。
洋服についたもうひとつの匂いに、彼女の口元が綻んだ-気がした。
迷惑なんかじゃない-寧ろ、嬉しくさえあるのでは。
そう勘ぐってしまいそうな表情を目にした瞬間。
秀王の頭の中で、何かが爆ぜた。
床にばら撒かれる、化粧道具。
口の開《ひら》いていたポーチから、口紅も、マスカラも、ファンデーションも-とにかく全てのそれが床の上に落ち、四方に飛び散った。
自分の中でどうにか終わりとした話が突如として始まり。
秀王は戸惑うしかない。
「先生との初めてのデートの為に着て来た、新しい服なのにな」
微笑まれるが、秀王はやはり返す言葉が見付からない。
ベッドの上に置かれた鞄から化粧ポーチを取り出すその顔は、しかし口で言う程決して嫌がっていなかった。
ただその横顔を眺めていれば、やがて彼女は自らの肩や腕に鼻先を寄せた。
煙草とは異なる、別の何か。
洋服についたもうひとつの匂いに、彼女の口元が綻んだ-気がした。
迷惑なんかじゃない-寧ろ、嬉しくさえあるのでは。
そう勘ぐってしまいそうな表情を目にした瞬間。
秀王の頭の中で、何かが爆ぜた。
床にばら撒かれる、化粧道具。
口の開《ひら》いていたポーチから、口紅も、マスカラも、ファンデーションも-とにかく全てのそれが床の上に落ち、四方に飛び散った。

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