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桜の季節が巡っても~追憶~
第42章 デート前の波乱1(再編済)
しかし、拾い集める事は叶わない。
力任せに抱き締められ、有無を言わさず口を塞がれた。
あまりにもいきなりだった為、後方に数歩よろめけば、カーテンのかかるガラス窓に背がついた。
状況を理解出来ないまま、されるがままに口内を好きにされ続ける。
唇の端から唾液が流れ落ちたが、拭う事も出来ず、首筋へ垂れてゆく。
彼のそれに簡単に舌が絡み取られる。
何故突然、彼がこんな事をするのか。
自分がこんな風にされるか、まるで分からなかった。
たった今『出かける準備をしよう』と促されたばかりだった。
逃れられず、意識が遠退きそうになった時。
唇は彼から離れる事を許された。
肩を激しく上下させながら、泉夏はどうにか呼吸を整えようとする。
訳は分からないままだったけど、明らかにいつもと違う様子の彼に徐々に不安が募る。
荒い息を吐《つ》きながら、泉夏は彼を見上げた。
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