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桜の季節が巡っても~追憶~
第42章 デート前の波乱1(再編済)
強張った頬。
何かを言いたげに開《あ》くのに、何も発する事の出来ない口唇。
その瞳は揺れ、潤んでいるようにも見えるのは-後ろめたさ故か。
ようやく、秀王は自分が何をしたかを理解した。
「…ごめん」
一言。
呟くのがやっとだった。
あの春の日に別れた側から、もう既に逢いたくて。
逢いたくって、この日が来るのを毎日毎日、心待ちにしていた。
ようやく逢えたのに。
自分は何をしてるのだろう。
思い上がっているのだろうか。
どんな事をしたって謝りさえすれば、それでも変わらず好きでいてもらえる-そう思っている?
まさかだった。
きっと、怖がらせた。
そして、痛くさせてしまったかもしれない。
最悪の場合も覚悟したが、しかし彼女は泣く事はなかった。
無論、楽しそうな面持ちでもなかったけれど。
泣かれてなどいたら、心を抉られるような後悔を味わっていたはずなので、とりあえず胸を撫で下ろす。
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