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桜の季節が巡っても~追憶~
第42章 デート前の波乱1(再編済)
「痛くなかった?」
彼女の背に手を回し、そこを擦《さす》る。
拒絶され、その手を振り解かれたりしたら-怖かったが、そんな事態にはならなかった。
自分にされるがまま身体を預け、背中を触られている。
「…どうかしてた」
-ごめん。
情けなさに、声音は弱々しいものになってしまう。

『泉夏を大事する。泉夏を大切にする。泉夏が俺でもいいと言ってくれる限り、ずっと』

彼女を初めて抱いたあの夜。
確かに自分は誓ったのに。
なのにたったの二カ月で、この様はなんだと思う。
結局、気になって仕方がない。
そのやるせない気持ちを彼女に向けた。
こうして彼女にあたるぐらいなら、最初から訊けばいいのに。
自分のあまりの愚かさに辟易してしまう。
どれだけ心弾ませてきたかしれないこの日に、何をしているのだろう?
腕の中で大人しくしてくれてはいるけれど、黙ったままの彼女を恐る恐る確認する。
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