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桜の季節が巡っても~追憶~
第45章 三年目のデート1(再編済)
きっと自分を責め続けているだろう、複雑な表情の彼を安心させるように、泉夏は笑う。
「先生のせいじゃない。時間が足りなくなったからでもない。私、言ったよね?さっき先生に喋ったのは『先生と行きたい所のほんの一部』だって。口にしなかっただけで、図書館もその一部に含まれてたの。もしも叶うなら、いつか先生と一緒に行きたいって思ってた。今まではあまりいい思い出がない場所だったけれど…いつかふたりで笑顔で行ける日が来たらいいなって」
「…」
「先生が読んでた本が知りたくて」
「読んでた…本?」
「うん。二カ月前のもだけど…去年の夏に、先生が読んでた本。文学の、みっつめの棚にある本。先生と別れてから、図書館に行く度、いつも未練がましく探してた。この棚のどの本を先生は読んでいたんだろうって。順番に一冊ずつ、何度も何度も読んでた。…そうする事で、少しでいいから先生との接点が欲しかった。先生が手に取った本。先生がページを捲った本。先生と同じところで笑って、どきどきしながらずっと読んでいたいって」
繋がれていた秀王の手が少し、引かれた。
おねだりをする子供のように再度彼の手を引っ張って、泉夏は彼を窺う。
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