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桜の季節が巡っても~追憶~
第46章 三年目のデート2(再編済)
『…こんなにどきどきしてたら、本なんか読めない』
彼の肩に強制的に頭をつけられたまま、泉夏は上擦った声で告げる。
『じゃあ、離そうか?』
頭に響く低音は-笑いを含んでる。
『だめ』
-それは、だめ。
知ってて尋ねてくる意地悪さに、泉夏は拗ねる。
本も読みたいけれど。
でも、もっとしたいのは、こうしている事。
だから、絶対だめ。
『もう少し、こうしていて?』
-先生?
この上ない幸せに瞳を閉じ、酔い痴れていると、名を呼ばれた。
ああ、もうすぐで映画が始まるんだった-現実の世界に戻る。
彼の肩に預けた頭はそのままに、薄っすらと目を開ければ、左手に温かなものが触れた。
「…先生。私、凄く幸せ」
両手で包み込まれるように手を握られ、その心地良さに浸りながら、泉夏は漏らした。
「大学の中でしか逢えなかったのに。それも毎日なんて無理だったのに。去年は、たったの二回しか逢えなかったのに。…なのになんで、今はこうしていられるんだろ」
-不思議。
まだ夢みたいだけど、でも嘘なんかじゃなくて。
諦めなくて良かった-つくづく、そう思う。
あなたを諦めなくて、本当に。
彼の肩に強制的に頭をつけられたまま、泉夏は上擦った声で告げる。
『じゃあ、離そうか?』
頭に響く低音は-笑いを含んでる。
『だめ』
-それは、だめ。
知ってて尋ねてくる意地悪さに、泉夏は拗ねる。
本も読みたいけれど。
でも、もっとしたいのは、こうしている事。
だから、絶対だめ。
『もう少し、こうしていて?』
-先生?
この上ない幸せに瞳を閉じ、酔い痴れていると、名を呼ばれた。
ああ、もうすぐで映画が始まるんだった-現実の世界に戻る。
彼の肩に預けた頭はそのままに、薄っすらと目を開ければ、左手に温かなものが触れた。
「…先生。私、凄く幸せ」
両手で包み込まれるように手を握られ、その心地良さに浸りながら、泉夏は漏らした。
「大学の中でしか逢えなかったのに。それも毎日なんて無理だったのに。去年は、たったの二回しか逢えなかったのに。…なのになんで、今はこうしていられるんだろ」
-不思議。
まだ夢みたいだけど、でも嘘なんかじゃなくて。
諦めなくて良かった-つくづく、そう思う。
あなたを諦めなくて、本当に。

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