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桜の季節が巡っても~追憶~
第50章 三年目のデート4(再編済)
いらない気を揉んでた自分が馬鹿みたいだった。
もしかして、行きたい場所に『行きたい』と口にすら出来ない状況だったのではないか-一そんな事、考えてしまったりなんか。
仕事が理由なら仕方ない-そういう家庭は他にもある。
旅行に行けて、図書館にもいっぱい連れて行ってもらえて-事故はとても不幸だったけど、でもそれからは楽しい事も沢山あったんだって分かってほっとした。
けど-。
「…育ててくれた、おじいちゃんとおばあちゃんは?」
はっきりとは躊躇われ、泉夏は遠回しに問う。
「俺が無事に大学を卒業して、就職して…一気に肩の荷が下りたのかは定かじゃないけど。ふたりして立て続けに病気をしてしまって、あっと言う間にいなくなってしまった」
なんとも言えない微笑みを、秀王は浮かべた。
「残念だけど、こればかりはどうしようもない。命あるものはいつかは必ず尽きる時がくる」
彼が口にすると、その重さは何倍にも感じる。
幼くして大きな哀しみに直面した経験がある故の、深い言葉だった。
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