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桜の季節が巡っても~追憶~
第50章 三年目のデート4(再編済)
『十年以上前から飼っていた、私の唯一の家族だ』

大学一年生の冬、言っていた。
その頃はまだ、彼の祖父母の存在は知らなかった。
だからそれは、シロだけに向けられた言葉だと思ってた。
二代目のシロも死んでしまって、もう家族と呼べる存在は本当にいなくなってしまった。
だから心置きなく、アメリカにって。
でも今日初めて話を訊いて、その意味合いは少し違っていた事に気付いた。
『唯一の』という事は、つまり両親に代わって育ててくれた人達もって事で。
まさかそれをこちらからは断言出来ないから、随分と曖昧な訊き方になってしまったけれど。
やっぱり、もういないんだ-幸せな子供時代を過ごせて良かったって安心したばかりなのに、またしても気分は沈んでゆく。
「そんな顔しないで。俺なんか全然不幸のうちに入らない。もっと大変はひとは大勢いる」
次々に家族を喪《うしな》って辛いはずの本人に苦笑しながら励まされ、泉夏の落ち込みに拍車をかける。
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