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桜の季節が巡っても~追憶~
第50章 三年目のデート4(再編済)
「まあ、厳密に『家族』と呼べるひとはもうひとりもいないけど。でも今はこうして隣りを歩いてくれるひとはいる」
-世界一の幸せ者だって、俺は思ってる。
自分を見詰める双眸が嬉しさに溢れていて、泉夏は喜びに震える。
「一昨日からほんとに嬉しくて、楽しい。過去にあった少しくらいの負の出来事も、簡単に帳消しされる。この幸せがずっと、ずっと、続けばいいのになって」
「…うん。私も思ってる」
-ずっとこうしていたいって。
感極まった泉夏の呟きに、秀王もまた感激し、笑って頷いた。
自分だけが不幸だなんて思わずに生きてきた。
実際、その通りだし。
ただ、失うものは他人《ひと》より多い人生かもしれない-薄っすら感じてはいた。
失くす一方で、得るものはこの先どれだけあるのだろうか-漠然と思っていたのに。
好きで。
堪らなく愛おしい存在が出来た。
好きになってもらえて。
愛してくれる存在が出来た。
このひとだけは、どこにも行かないで欲しい。
誰にも連れて行って欲しくない。
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