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桜の季節が巡っても~追憶~
第50章 三年目のデート4(再編済)

「水族館もね、大人になってからでも行きたければ、いつでも行けたわけで。なのにそうじゃなかったのは-」
-単に一緒に行く相手がいなかったからかな。
顔を上げた泉夏の瞳とぶつかった彼のそれは、狭まっていた。
「他のひとはどうかよく分からないけど。俺は、あんまりひとりで行きたい場所ではないかな。…泉夏は?」
「…私も。ひとりでは来た事はない」
「今日はこんなに可愛い彼女と一緒に来られて、凄く嬉しい。十年も行く機会を待ってた甲斐があったな」
微笑まれ、泉夏は胸がいっぱいになる。
もう何も言えないくらいに。
なのに。
「…うそ」
この上ない幸せで。
この上なく嬉しかったけれど。
感じてるそのままを表せばいいだけなのに、可愛くないそれをつい、紡いでしまう。
「十年も来てないなんて、それは嘘。他の誰かと来た事、絶対あると思う」
「他の?」
「…か、彼女とか?」
短く放つ泉夏に、秀王は眉を顰《ひそ》める。
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