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奥手なオークが貞操の危機!?
第1章 1
しばらくしてベオが転寝から目を覚ますと、二人の女性はベッドから消えていた。たぶん気を使ってそっと静かに帰って行ったのだろう。
布団には彼女たちの肌の香りがわずかに残っている。
「う……」
ベオは上半身を曲げて、自分の股間を軽く押さえた。
「まさか、残り香だけで発情とか……」
ふわりと鼻腔に届く香りは、さっきまでの彼女たちの姿を思い出させる。二人は確かにベオの股間にからだを擦り付け、舌を這わせ、精に汚されてなお、うれしそうに微笑んでいた。
「確かに気持ちよかった……」
その行為を思い出すだけで身の中心に淫熱がこもる。もう一度あの二人に触れたいと、心のどこかが疼きもする。
「ダメだ、こんなの……丸っきりのオークじゃないか!」
戒めのために自分のチンコを痛いほど握り締めて、彼は懺悔の言葉をつぶやいた。
「お父様、お母様、お許しください。このような不貞は二度としないと誓います」
ベオが誓いを捧げている相手……それはオークである実の両親ではなく、養い親である人間の老夫婦だ。
彼の両親は仕事上の事故で死んだ。天外孤独となった彼を引き取って育ててくれたのが両親の雇い主であった人間夫婦だったのだ。
子供に恵まれなかったということで、養い親はまるで本当の子供のようにベオを大事に育ててくれた。人間式の教育を受けさせてくれて、人間式の暮らしをさせてくれて、こうしてベオはオークにしてはやや特殊な青年に成長したのである。
「俺だって、お父様のように人を愛したいのに……」
養い親たちは自分の養い子がオークであることをよく心得ている。それに温厚な夫婦であるのだから、今日の彼の所業を聞き及んでも驚くことは無いだろう。それでも引け目を感じるのは、彼自身の心の問題である。
それは例えば養母が料理を作っている最中であったりのとき、養父は幼いベオをひざに抱いて得意そうに語って聞かせた。
「ベオ、人を愛するというのはいいものだぞ」
「あいするってなぁに?」
「そうだなあ、例えば、父様は母様を愛している。だから母様が幸せであるように、かなしまないように、そうやって母様のことばかり考えているんだよ、それが愛するということだ」
そんな養父の前に皿を並べながら、養母は笑う。
「うそおっしゃい、私のことより、週末の釣りのことを考えている時間の方が多いくせに」
「いやあ、見抜かれていたか、あっはっは~」
布団には彼女たちの肌の香りがわずかに残っている。
「う……」
ベオは上半身を曲げて、自分の股間を軽く押さえた。
「まさか、残り香だけで発情とか……」
ふわりと鼻腔に届く香りは、さっきまでの彼女たちの姿を思い出させる。二人は確かにベオの股間にからだを擦り付け、舌を這わせ、精に汚されてなお、うれしそうに微笑んでいた。
「確かに気持ちよかった……」
その行為を思い出すだけで身の中心に淫熱がこもる。もう一度あの二人に触れたいと、心のどこかが疼きもする。
「ダメだ、こんなの……丸っきりのオークじゃないか!」
戒めのために自分のチンコを痛いほど握り締めて、彼は懺悔の言葉をつぶやいた。
「お父様、お母様、お許しください。このような不貞は二度としないと誓います」
ベオが誓いを捧げている相手……それはオークである実の両親ではなく、養い親である人間の老夫婦だ。
彼の両親は仕事上の事故で死んだ。天外孤独となった彼を引き取って育ててくれたのが両親の雇い主であった人間夫婦だったのだ。
子供に恵まれなかったということで、養い親はまるで本当の子供のようにベオを大事に育ててくれた。人間式の教育を受けさせてくれて、人間式の暮らしをさせてくれて、こうしてベオはオークにしてはやや特殊な青年に成長したのである。
「俺だって、お父様のように人を愛したいのに……」
養い親たちは自分の養い子がオークであることをよく心得ている。それに温厚な夫婦であるのだから、今日の彼の所業を聞き及んでも驚くことは無いだろう。それでも引け目を感じるのは、彼自身の心の問題である。
それは例えば養母が料理を作っている最中であったりのとき、養父は幼いベオをひざに抱いて得意そうに語って聞かせた。
「ベオ、人を愛するというのはいいものだぞ」
「あいするってなぁに?」
「そうだなあ、例えば、父様は母様を愛している。だから母様が幸せであるように、かなしまないように、そうやって母様のことばかり考えているんだよ、それが愛するということだ」
そんな養父の前に皿を並べながら、養母は笑う。
「うそおっしゃい、私のことより、週末の釣りのことを考えている時間の方が多いくせに」
「いやあ、見抜かれていたか、あっはっは~」