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奥手なオークが貞操の危機!?
第1章 1
その日は午後からが休講で、ベオは学内にある図書室でゆっくりと書物を漁ることに没頭していた。
ちょうどいま学んでいる魔経済学についての解説書をどこかで見たはずだと、図書室でも特に奥まった書架の間に足を踏み入れる。
そこにはすでに一人の女生徒がいて、ベオが入ってくると手にしていた本を閉じて顔を上げた。
「遅かったですね、待ちくたびれてしまいましたわよ」
ゆったりと上品な話かたからも、彼女の育ちのよさは計り知れよう。大きな耳の端はピンととがっていて、さらりと肩まで下げたゆたかな金髪でも隠し切れない。
そう、彼女はエルフ族である。
そんな美しい女に向かってさえ、ベオは心底うんざりだというように顔をしかめてみせた。
「ああ、アリシア、また君か……そもそも、約束をした覚えすらないのに、遅いとは心外だな」
「ふふふん、約束などしなくても、私はいつでも愛するあなたがそばに来てくれるのを待っているのですわ」
「じゃあ、ぜひ他のやつを待ってやってくれ。俺はこの前も言ったとおり、いまは誰とも付き合う気なんてないんだ」
「あら、もったいない。宝の持ち腐れですわよ」
「なにが?」
「うふふふ、隠さなくてもよろしいですわ、ここに、オークの証であるおっきなアレが隠されているんでしょう?」
アリシアはベオにするりと体を擦り付け、ズボン越しにその股間をなぞり上げた。
「あ……はあああん♡ お勃起もしてないのにこの大きさ……すごい!」
「やめろ、お前は痴女か」
「ふふふ、好きな人と二人っきりのとき、女はいつだって痴女ですわ」
「わけがわからない。ともかく、やめてくれ」
ズボンの中にもぐりこもうとする彼女の手を払いのけて、ベオは大きく身を引く。彼女をにらむ顔は豚鼻の頭にたっぷりと皺を寄せて、さも侮蔑をこめている様子であった。
「けっきょく君が欲しいのは俺の体だけだろう?」
「はあ、はあ……じゅるり、そんなことはありませんわ、愛です」
「じゃあ、俺のどこが好きなのか言ってみろよ」
「全て! そもそもがオークの体からは異性のエルフに性的興奮を与えるフェロモンがだだ漏れているのです。これによってオークはエルフを手篭めにし、絶対服従の呪いとして性的調教を……」
「体目当てじゃねえか!」
「違います、愛です! 私の愛がどれほどのものか知らないから、あなたはそういうことを平気で言うんです!」
ちょうどいま学んでいる魔経済学についての解説書をどこかで見たはずだと、図書室でも特に奥まった書架の間に足を踏み入れる。
そこにはすでに一人の女生徒がいて、ベオが入ってくると手にしていた本を閉じて顔を上げた。
「遅かったですね、待ちくたびれてしまいましたわよ」
ゆったりと上品な話かたからも、彼女の育ちのよさは計り知れよう。大きな耳の端はピンととがっていて、さらりと肩まで下げたゆたかな金髪でも隠し切れない。
そう、彼女はエルフ族である。
そんな美しい女に向かってさえ、ベオは心底うんざりだというように顔をしかめてみせた。
「ああ、アリシア、また君か……そもそも、約束をした覚えすらないのに、遅いとは心外だな」
「ふふふん、約束などしなくても、私はいつでも愛するあなたがそばに来てくれるのを待っているのですわ」
「じゃあ、ぜひ他のやつを待ってやってくれ。俺はこの前も言ったとおり、いまは誰とも付き合う気なんてないんだ」
「あら、もったいない。宝の持ち腐れですわよ」
「なにが?」
「うふふふ、隠さなくてもよろしいですわ、ここに、オークの証であるおっきなアレが隠されているんでしょう?」
アリシアはベオにするりと体を擦り付け、ズボン越しにその股間をなぞり上げた。
「あ……はあああん♡ お勃起もしてないのにこの大きさ……すごい!」
「やめろ、お前は痴女か」
「ふふふ、好きな人と二人っきりのとき、女はいつだって痴女ですわ」
「わけがわからない。ともかく、やめてくれ」
ズボンの中にもぐりこもうとする彼女の手を払いのけて、ベオは大きく身を引く。彼女をにらむ顔は豚鼻の頭にたっぷりと皺を寄せて、さも侮蔑をこめている様子であった。
「けっきょく君が欲しいのは俺の体だけだろう?」
「はあ、はあ……じゅるり、そんなことはありませんわ、愛です」
「じゃあ、俺のどこが好きなのか言ってみろよ」
「全て! そもそもがオークの体からは異性のエルフに性的興奮を与えるフェロモンがだだ漏れているのです。これによってオークはエルフを手篭めにし、絶対服従の呪いとして性的調教を……」
「体目当てじゃねえか!」
「違います、愛です! 私の愛がどれほどのものか知らないから、あなたはそういうことを平気で言うんです!」