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奥手なオークが貞操の危機!?
第1章 1
これに見た目が似ているからの……
「ふ、陵辱者《オーク》にはあまりにも似合いのあだ名だな」
自嘲に顔をゆがめれば、それはまさしく陵辱者に似た醜い面相であった。
モブおじさんとは、普段は名前すらつけられないような背景的人物の一人でしかない。にも関わらず、電車で愛くるしい少女を見つければこれの体に触れ、そして犯す。オフィスで若い同僚女性と二人きりになれば、卑劣なやりかたで脅して犯す。
ともかく、目の前に女穴があればこれに自分の肉竿を収めることしか考えぬ、いかにもオークじみた存在なのだ。
だからこそ彼はこのあだ名に傷つき、スーツ姿の自分を嫌ってもいる。
「でも、そんなこと言ってもいられないか。これは『正式』な話なんだ」
そう、彼はアリシアに交際の申し込みをしにいこうとしているのだ。
もちろん、正式に。
今日は休日、目当ての女性は女子寮の自分の部屋で暇をもてあましてゴロゴロしているに違いない。
「よし!」
気合一声、ベオは濃グレーのスーツに腕を通した。
「俺は陵辱者なんかじゃない。あれはきちんとした愛の行為だったんだ」
力強い声も、鏡に映ったモブおじさんじみた男の口から発せられたと思えばウソ臭い。
だからベオは鏡から視線を外して窓の外を見た。朝日の名残が残る白い光が、いかにも清潔でまぶしい。
「そう、俺はアリシアを愛している。だから……あんなに欲情するんだ」
いかに詭弁であっても、言葉にすればそれがずっと前からの決意であったようにも思えてくる。
ベオは少しだけ安堵して、スーツの襟を直すために再び鏡へと向かったのだった。
「ふ、陵辱者《オーク》にはあまりにも似合いのあだ名だな」
自嘲に顔をゆがめれば、それはまさしく陵辱者に似た醜い面相であった。
モブおじさんとは、普段は名前すらつけられないような背景的人物の一人でしかない。にも関わらず、電車で愛くるしい少女を見つければこれの体に触れ、そして犯す。オフィスで若い同僚女性と二人きりになれば、卑劣なやりかたで脅して犯す。
ともかく、目の前に女穴があればこれに自分の肉竿を収めることしか考えぬ、いかにもオークじみた存在なのだ。
だからこそ彼はこのあだ名に傷つき、スーツ姿の自分を嫌ってもいる。
「でも、そんなこと言ってもいられないか。これは『正式』な話なんだ」
そう、彼はアリシアに交際の申し込みをしにいこうとしているのだ。
もちろん、正式に。
今日は休日、目当ての女性は女子寮の自分の部屋で暇をもてあましてゴロゴロしているに違いない。
「よし!」
気合一声、ベオは濃グレーのスーツに腕を通した。
「俺は陵辱者なんかじゃない。あれはきちんとした愛の行為だったんだ」
力強い声も、鏡に映ったモブおじさんじみた男の口から発せられたと思えばウソ臭い。
だからベオは鏡から視線を外して窓の外を見た。朝日の名残が残る白い光が、いかにも清潔でまぶしい。
「そう、俺はアリシアを愛している。だから……あんなに欲情するんだ」
いかに詭弁であっても、言葉にすればそれがずっと前からの決意であったようにも思えてくる。
ベオは少しだけ安堵して、スーツの襟を直すために再び鏡へと向かったのだった。