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奥手なオークが貞操の危機!?
第1章 1
さて、女性関係の常識に疎いベオは、女子寮への立ち入りが男子寮に対するそれよりもさらに厳しいものだということを知らなかったわけであるが……案の定、恐ろしい顔をした寮母のハーピィに門前払いを食らわされて、女子寮の門の前になすすべもなく立ち尽くしていた。
そこへ通りかかったのは小柄な女騎士――アーニャである。
朝練の帰りだろうか、彼女はランニングシャツに太ももがむき出しになるほどの短パンという無防備な姿で、風が吹くと甘い汗の香りがふわりと立ち上った。
そんな愛くるしいだけの姿だというのに心はやはり気高き女騎士、すっくと胸を張って張りのある声を出す。
「やあ、そんなところでなにをしているんだい!」
「あ、いや……アリシアに会いに……」
「ふむ?」
声がどれほどりりしかろうとしょせんは年頃の恋する女の子、仕草は愛くるしく頭を少し下げて、スーツ姿のベオをじっくりと眺め回す。
「しかし、その格好は……」
「なんだ?」
「くっ、殺せ……」
気丈なくちききとは裏腹に、彼女は鼓動で波打つ左胸に手を当ててよろめく。あまりに大きくよろめいたものだから、小さな体は倒れそうになった。
「お、おい、あぶない!」
ベオが大きな手を差し伸べて支えてやると、彼女はその身をわずかに震わせてやたらと色っぽい声を出す。
「あん……触っちゃダメぇ」
「お、おう」
「手ぇ離しちゃダメぇ、倒れちゃう~」
「どうしろっていうんだよ、じゃあ」
「は、すまない! ちょっと白昼夢をみていたようだ」
アーニャはぱっと身を起こし、幻影を振り払うように大きく頭を振った。
「もう大丈夫だ。アリシアに会いたいんだったな?」
「あ、うん」
「彼女はいま、おやつを買いにいっている最中だ。部屋で待ちたまえ」
「そうしたいのはやまやまなんだけど、さっきも寮母さんに追い出されて……」
「正面突破など馬鹿の戦略だ。もっとうまく、賢くたちまわりたまえ」
「賢く?」
「来たまえ、こっちだ」
そこへ通りかかったのは小柄な女騎士――アーニャである。
朝練の帰りだろうか、彼女はランニングシャツに太ももがむき出しになるほどの短パンという無防備な姿で、風が吹くと甘い汗の香りがふわりと立ち上った。
そんな愛くるしいだけの姿だというのに心はやはり気高き女騎士、すっくと胸を張って張りのある声を出す。
「やあ、そんなところでなにをしているんだい!」
「あ、いや……アリシアに会いに……」
「ふむ?」
声がどれほどりりしかろうとしょせんは年頃の恋する女の子、仕草は愛くるしく頭を少し下げて、スーツ姿のベオをじっくりと眺め回す。
「しかし、その格好は……」
「なんだ?」
「くっ、殺せ……」
気丈なくちききとは裏腹に、彼女は鼓動で波打つ左胸に手を当ててよろめく。あまりに大きくよろめいたものだから、小さな体は倒れそうになった。
「お、おい、あぶない!」
ベオが大きな手を差し伸べて支えてやると、彼女はその身をわずかに震わせてやたらと色っぽい声を出す。
「あん……触っちゃダメぇ」
「お、おう」
「手ぇ離しちゃダメぇ、倒れちゃう~」
「どうしろっていうんだよ、じゃあ」
「は、すまない! ちょっと白昼夢をみていたようだ」
アーニャはぱっと身を起こし、幻影を振り払うように大きく頭を振った。
「もう大丈夫だ。アリシアに会いたいんだったな?」
「あ、うん」
「彼女はいま、おやつを買いにいっている最中だ。部屋で待ちたまえ」
「そうしたいのはやまやまなんだけど、さっきも寮母さんに追い出されて……」
「正面突破など馬鹿の戦略だ。もっとうまく、賢くたちまわりたまえ」
「賢く?」
「来たまえ、こっちだ」