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奥手なオークが貞操の危機!?
第1章 1
アーニャが小さな胸を精一杯に張って歩き出すから、ベオは黙ってついていくしかなかった。
これに彼女はご満悦で、口調は軽く明るい。
「君は幸運だぞ、何しろ私とアリシアの部屋は一階の、しかも角部屋だ。おまけに現在、隣は空き部屋になっている。どれほどいかがわしい声をあげてもまわりに知られる心配はない」
「いや、今日はイカガワシイことはしない」
「何を言ってるんだ、君は、そんな……誘うような格好をしてきたくせに」
「え……誘うようなカッコウ?」
「スーツだよ、スーツ! それは男の戦闘服、愛する家族を守る仕事という戦いの場に身をおく戦士の証……くっ! この場で殺してくれっ!」
「なにを興奮しているのかわからないけれど、あの……その窓、どうするの?」
二人はすでに角部屋の大きな掃き出し窓の前に来ていたのだけれど、こうした窓は内側からかんぬきがかけられているのが普通だ。特に部屋の住人が外出中であるいまは、きちんと施錠されていてしかるべき。
ところがアーニャは、こともなげに窓枠に手をかけて引いた。
「こうして普通にあければいいだけさ」
「な! おまっ!」
「ん? どうしてそんなに怒った顔をしている?」
「どうしてって、君たちは女の子だろう! なのに、無用心極まりない!」
瞬間、アーニャはきょとんとした顔をした。が、次の瞬間には頬をほのかに桃色に染めて、恥ずかしげに微笑む。
「あ、ああ、心配してくれているのか。うん……その……まあな」
照れ隠しなのだろうか、バンバンと大きな音を立ててベオの背中を叩く。
「まあ、ここに暮らしているのはアリシアと私だからな、よしんば押し入ったとしても普通の男では敵わないさ」
「そういうことじゃなくってだな……」
「あ、ああ、うん……君が心配してくれるなら、これからは気をつけるよ?」
「そうしてくれ」
「でも、まあ、今日の所はさ、開いててよかったじゃん? ほら、はいってはいって」
これに彼女はご満悦で、口調は軽く明るい。
「君は幸運だぞ、何しろ私とアリシアの部屋は一階の、しかも角部屋だ。おまけに現在、隣は空き部屋になっている。どれほどいかがわしい声をあげてもまわりに知られる心配はない」
「いや、今日はイカガワシイことはしない」
「何を言ってるんだ、君は、そんな……誘うような格好をしてきたくせに」
「え……誘うようなカッコウ?」
「スーツだよ、スーツ! それは男の戦闘服、愛する家族を守る仕事という戦いの場に身をおく戦士の証……くっ! この場で殺してくれっ!」
「なにを興奮しているのかわからないけれど、あの……その窓、どうするの?」
二人はすでに角部屋の大きな掃き出し窓の前に来ていたのだけれど、こうした窓は内側からかんぬきがかけられているのが普通だ。特に部屋の住人が外出中であるいまは、きちんと施錠されていてしかるべき。
ところがアーニャは、こともなげに窓枠に手をかけて引いた。
「こうして普通にあければいいだけさ」
「な! おまっ!」
「ん? どうしてそんなに怒った顔をしている?」
「どうしてって、君たちは女の子だろう! なのに、無用心極まりない!」
瞬間、アーニャはきょとんとした顔をした。が、次の瞬間には頬をほのかに桃色に染めて、恥ずかしげに微笑む。
「あ、ああ、心配してくれているのか。うん……その……まあな」
照れ隠しなのだろうか、バンバンと大きな音を立ててベオの背中を叩く。
「まあ、ここに暮らしているのはアリシアと私だからな、よしんば押し入ったとしても普通の男では敵わないさ」
「そういうことじゃなくってだな……」
「あ、ああ、うん……君が心配してくれるなら、これからは気をつけるよ?」
「そうしてくれ」
「でも、まあ、今日の所はさ、開いててよかったじゃん? ほら、はいってはいって」