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奥手なオークが貞操の危機!?
第1章 1
「もう少しだけ、こうしていたい」
「へあっ!?」
アーニャは奇声を上げたが、それでもベオの腕を振りほどこうとはしない。ただ少しだけうつむいて、赤くなった耳をベオに見せた。
「……アリシアに用があったんじゃないのか」
「いや、そうなんだけど……う~む」
先ほどまであんなにはりきってアリシアに告白するつもりだった気持ちが、今は少し揺らいでいる。
「おかしいな……俺はアリシアが好きなはず……なのに」
この言葉に、アーニャは再び奇声を上げて振り向いた。
「ほあっ? アリシアが好きなの?」
「そうだ。だから今日はきちんと交際を申し込もうと思って、それでここに来たんだ」
「だからスーツ……なんだか君らしいや」
その声が少し元気なく聞こえるから、ベオはアーニャを手放す気になれない。むしろもう少しだけ、彼女を抱きしめる腕に力を入れて、小さな体が自分の腕の中から逃げ出さないように捕らえる。
「だけど……アーニャ……君をみてると……」
「ねえ、キスして……」
唐突なおねだりに応えて、軽く唇をついばむ。少し涙の味がした。
「ねえ、本当にアリシアが好き?」
「ああ、好きだ」
「私よりも好きなのか?」
「それは……」
「どうした、なぜ黙る?」
「わからない。わからないけれど、君が泣いているのをほっておけない」
「泣いてなんかいない」
「うそつけ」
ベオが彼女の顔を引き上げると、そこには涙にぬれた瞳があった。
「泣いているじゃないか」
いま一度、ついばむだけのキスを落として抱きしめる。
「どうしてだろう、ほっとけない……」
ベオの言葉に、アーニャが涙を拭いた。
「どうして?」
「たぶん……好きだから」
「アリシアを?」
「違う、君を」
「そうか……」
あとは二人、言葉もなく静かに抱き合……
「ただいま~!」
突然開いたドアの勢いに驚いて、二人は反射的に飛びのきあった。
「へあっ!?」
アーニャは奇声を上げたが、それでもベオの腕を振りほどこうとはしない。ただ少しだけうつむいて、赤くなった耳をベオに見せた。
「……アリシアに用があったんじゃないのか」
「いや、そうなんだけど……う~む」
先ほどまであんなにはりきってアリシアに告白するつもりだった気持ちが、今は少し揺らいでいる。
「おかしいな……俺はアリシアが好きなはず……なのに」
この言葉に、アーニャは再び奇声を上げて振り向いた。
「ほあっ? アリシアが好きなの?」
「そうだ。だから今日はきちんと交際を申し込もうと思って、それでここに来たんだ」
「だからスーツ……なんだか君らしいや」
その声が少し元気なく聞こえるから、ベオはアーニャを手放す気になれない。むしろもう少しだけ、彼女を抱きしめる腕に力を入れて、小さな体が自分の腕の中から逃げ出さないように捕らえる。
「だけど……アーニャ……君をみてると……」
「ねえ、キスして……」
唐突なおねだりに応えて、軽く唇をついばむ。少し涙の味がした。
「ねえ、本当にアリシアが好き?」
「ああ、好きだ」
「私よりも好きなのか?」
「それは……」
「どうした、なぜ黙る?」
「わからない。わからないけれど、君が泣いているのをほっておけない」
「泣いてなんかいない」
「うそつけ」
ベオが彼女の顔を引き上げると、そこには涙にぬれた瞳があった。
「泣いているじゃないか」
いま一度、ついばむだけのキスを落として抱きしめる。
「どうしてだろう、ほっとけない……」
ベオの言葉に、アーニャが涙を拭いた。
「どうして?」
「たぶん……好きだから」
「アリシアを?」
「違う、君を」
「そうか……」
あとは二人、言葉もなく静かに抱き合……
「ただいま~!」
突然開いたドアの勢いに驚いて、二人は反射的に飛びのきあった。