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奥手なオークが貞操の危機!?
第1章 1
さて、アリシアのもとから逃げ出したベオはというと……図書室から校舎へと続く長い渡り廊下を小走りに渡っていた。
「なんなんだ、あの痴女は!」
やや前かがみに、下半身を隠すように両手で前を押さえているのは、股間がゆったりと半立ちになっているのをごまかすためだ。
「ううう、こんなの……」
彼はいま、オークである自分の身を呪っている。
そう、この反応は全て自分がオークであるがゆえ、そうに違いないと心のうちでつぶやく。好きでもない女に軽くなで上げられただけで勃起してしまうなんて、まるっきりそこらのオークと同じではないか!
彼はそれほどに同世代の同族男子たちを軽蔑していた。
そもそもが書物に触れるといえば女の裸絵が載っているような低俗なものばかり、自分に向かって股を開く女であれば種族などお構いなしに抱き散らし、時には股を開かぬ女すら陵辱する粗野で横暴なモンスター、それがオーク。
そんな生き物に生まれてしまった自分の身を呪って、彼はポロリと涙をこぼす。
それがいけなかったのだ。たっぷりの水気にぼやけた視界の中に、何かが飛び込んできた。
「ああん♡」
妙に甲高い声をあげて、その飛び込んできたものはベオに当て身を食らわせた。
「うおっ!」
体格のいいオークとはいえ、体を支える要である腰に当て身を、それと同時にふとももを抱えるようにして下半身をすくわれてはひとたまりもない。情けない叫び声をあげてなすすべなく床に転がるのみだ。
「な、なにごとだ!」
後頭部への衝撃を避けるために体を丸め込んで後ろに手をつく。尻をわざと床に落とし、それ以上のダメージを逃がす、実に見事な受身だ。
こうして床に押し倒された形になった彼の体の上には、細身の甲冑に身を包んだ金髪の女性が馬乗りになっていた。
「なんなんだ、あの痴女は!」
やや前かがみに、下半身を隠すように両手で前を押さえているのは、股間がゆったりと半立ちになっているのをごまかすためだ。
「ううう、こんなの……」
彼はいま、オークである自分の身を呪っている。
そう、この反応は全て自分がオークであるがゆえ、そうに違いないと心のうちでつぶやく。好きでもない女に軽くなで上げられただけで勃起してしまうなんて、まるっきりそこらのオークと同じではないか!
彼はそれほどに同世代の同族男子たちを軽蔑していた。
そもそもが書物に触れるといえば女の裸絵が載っているような低俗なものばかり、自分に向かって股を開く女であれば種族などお構いなしに抱き散らし、時には股を開かぬ女すら陵辱する粗野で横暴なモンスター、それがオーク。
そんな生き物に生まれてしまった自分の身を呪って、彼はポロリと涙をこぼす。
それがいけなかったのだ。たっぷりの水気にぼやけた視界の中に、何かが飛び込んできた。
「ああん♡」
妙に甲高い声をあげて、その飛び込んできたものはベオに当て身を食らわせた。
「うおっ!」
体格のいいオークとはいえ、体を支える要である腰に当て身を、それと同時にふとももを抱えるようにして下半身をすくわれてはひとたまりもない。情けない叫び声をあげてなすすべなく床に転がるのみだ。
「な、なにごとだ!」
後頭部への衝撃を避けるために体を丸め込んで後ろに手をつく。尻をわざと床に落とし、それ以上のダメージを逃がす、実に見事な受身だ。
こうして床に押し倒された形になった彼の体の上には、細身の甲冑に身を包んだ金髪の女性が馬乗りになっていた。