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奥手なオークが貞操の危機!?
第1章 1
次の日、ベオは学生食堂で食後の茶など楽しみながら、分厚い書類の束をペラペラとめくっていた。
「ふ~ん、アリシア=ユクジュート、南のエルフ族を束ねる領主の娘ねえ……」
書類はとあるツテを使って入手したもの……あのエルフと、女騎士の身上書だ。
書類の文字を眺めたままカップに手を伸ばす、そんな彼の視界が突如として、背後から伸ばされた白く柔らかい掌でふさがれた。
「ふふふ、だ~れだ、ですわ♡」
耳元で甘く響く声にも、ベオが表情を変えることはない。
「また君か」
「ああん、ちゃんと正解を言ってくださらないと、この手は離しませんことよ」
「ふう……アリシア=ユクジュート」
「はい、せいか~い!」
しかし、ぱっと開かれた視界の中に映ったのは、女騎士の姿だった。
今日は甲冑ではなく白いワンピース、しかもシンプルなデザインのものだから、極普通の少女のように見える。しかもそうした格好になれていないのだろうか、しきりに裾を気にしてもぞもぞと膝を揺すっているのだから、ひどくしおらしくもみえる。
振り向けば背後にはエルフの少女が立っていて、こちらもそろいの白いワンピースを着ていた。
ベオは少しため息をつく。
「同じワンピースだというのに、どうしてこうも……」
このエルフ、女騎士に比べるとずいぶんとボリューミーな体をしている。細身ですらりとしているのに、胸元と太ももがむちむちしているのだ。
だから、ワンピースの前開きからのぞくデコルテは妖しく、裾からこぼれる太ももはまぶしかった。
「ふふふ、似合うでしょう?」
くるりと色っぽく回ってみせる彼女に対抗するように、女騎士が声を張り上げる。
「わ、私だって、似合っているだろう!」
「あ~、はい、そうね。二人とも似合ってる、似合ってる」
「なんだ、その気のない返事は! わ、私が恥をしのんでこんな格好をしているのだぞ、せめてまっすぐこっちをみて言ったらどうだ!」
この言葉に、ベオは豚鼻の上にある小さな瞳をパチパチさせる。
「そうか、確かに失礼だったな」
「わかればよい」
「うん、悪くない。甲冑よりも女性らしく見えるし、白というのは膨張色だから細すぎる体形をほどよくカバーして、なおかつ清潔感を演出している」
「だれがワンピースをほめろと言った!」
「ワンピースについての感想を聞きたかったんじゃないのか?」
「ふ~ん、アリシア=ユクジュート、南のエルフ族を束ねる領主の娘ねえ……」
書類はとあるツテを使って入手したもの……あのエルフと、女騎士の身上書だ。
書類の文字を眺めたままカップに手を伸ばす、そんな彼の視界が突如として、背後から伸ばされた白く柔らかい掌でふさがれた。
「ふふふ、だ~れだ、ですわ♡」
耳元で甘く響く声にも、ベオが表情を変えることはない。
「また君か」
「ああん、ちゃんと正解を言ってくださらないと、この手は離しませんことよ」
「ふう……アリシア=ユクジュート」
「はい、せいか~い!」
しかし、ぱっと開かれた視界の中に映ったのは、女騎士の姿だった。
今日は甲冑ではなく白いワンピース、しかもシンプルなデザインのものだから、極普通の少女のように見える。しかもそうした格好になれていないのだろうか、しきりに裾を気にしてもぞもぞと膝を揺すっているのだから、ひどくしおらしくもみえる。
振り向けば背後にはエルフの少女が立っていて、こちらもそろいの白いワンピースを着ていた。
ベオは少しため息をつく。
「同じワンピースだというのに、どうしてこうも……」
このエルフ、女騎士に比べるとずいぶんとボリューミーな体をしている。細身ですらりとしているのに、胸元と太ももがむちむちしているのだ。
だから、ワンピースの前開きからのぞくデコルテは妖しく、裾からこぼれる太ももはまぶしかった。
「ふふふ、似合うでしょう?」
くるりと色っぽく回ってみせる彼女に対抗するように、女騎士が声を張り上げる。
「わ、私だって、似合っているだろう!」
「あ~、はい、そうね。二人とも似合ってる、似合ってる」
「なんだ、その気のない返事は! わ、私が恥をしのんでこんな格好をしているのだぞ、せめてまっすぐこっちをみて言ったらどうだ!」
この言葉に、ベオは豚鼻の上にある小さな瞳をパチパチさせる。
「そうか、確かに失礼だったな」
「わかればよい」
「うん、悪くない。甲冑よりも女性らしく見えるし、白というのは膨張色だから細すぎる体形をほどよくカバーして、なおかつ清潔感を演出している」
「だれがワンピースをほめろと言った!」
「ワンピースについての感想を聞きたかったんじゃないのか?」