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奥手なオークが貞操の危機!?
第1章 1
彼の瞳は存外につぶらで、曇りの一点もなく黒く輝いている。それにまっすぐに見つめられて、女騎士は真っ赤になった顔をくいっと背けた。
「くっ、殺せ」
「なんで?!」
「それより、何をみてたんだ?」
ひょいとベオの手元を覗き込んだのは、戦場で剣のひらめきさえ見切る女騎士の動体視力なのだ、それが身上書であることを一目で見抜いた。
「なんで私たちのことなど調べているのだ!」
身を震わせ、スカートの裾を押さえた彼女は、かっと目を見開いた。
「そうか、私の弱点を探っているんだな、卑怯者め! そうまでして私を打ち倒し、ゆっくりと陵辱を楽しみたいのか! そんなことしなくても……しなくても……」
再び顔を真っ赤に染めて、彼女は蚊のなくような声でつぶやく。
「くっ、殺せ……」
「何ですぐに死にたがるのか、俺には理解できないんだが……まあ、弱点を探ろうというわけじゃない」
「ならば何のために!」
「昨日、あの後考えたんだ、君たちは俺に対してかなりよこしまではあっても好意を伝えてくれる、だが、それをすげなく断るには俺はあまりにも君たちの事を知らないのではないかと、ね」
「真面目だな、そんなところも……くっ、殺せだ」
「ところで、君たちはどうして一緒にいるんだい? それにワンピースまで揃いで、何かのイベント?」
「知らないのか、私とアリシアはルームメイトなんだ」
「え、そんなこと、身上書には……」
「ククククク、貴様の情報網もたいしたことないな」
「あ、でも、他の情報は載ってるよ、スポーツ特待生、アーニャ=ハモット、あだ名は脳筋」
「脳筋いうなぁあ!」
「そうだね、あだ名ほど筋肉ムキムキじゃないもんね」
「そういうことではなくてだな……」
そこへ、エルフがお茶の載ったお盆を差し入れた。
「まあまあ、いっぱいしゃべって喉が渇いたでしょう? 新しいお茶をいただいてきたので、冷めないうちに召し上がれ」
「おお、気が利くなあ」
ベオは何の疑いもなくカップを手に取り、口をつけた。
「まあ、ともかく、そういうわけでさ」
身上書をぺらぺらとあおって見せる。
「ちゃんと考える。その上でちゃんと断るなり、付き合うなりするから、それで勘弁してくれないか?」
「そうですね、でもその身上書には書いてない、いちばん大事な情報が欲しくはありませんか?」
「一番大事な? って……ぐはあっ!」
「くっ、殺せ」
「なんで?!」
「それより、何をみてたんだ?」
ひょいとベオの手元を覗き込んだのは、戦場で剣のひらめきさえ見切る女騎士の動体視力なのだ、それが身上書であることを一目で見抜いた。
「なんで私たちのことなど調べているのだ!」
身を震わせ、スカートの裾を押さえた彼女は、かっと目を見開いた。
「そうか、私の弱点を探っているんだな、卑怯者め! そうまでして私を打ち倒し、ゆっくりと陵辱を楽しみたいのか! そんなことしなくても……しなくても……」
再び顔を真っ赤に染めて、彼女は蚊のなくような声でつぶやく。
「くっ、殺せ……」
「何ですぐに死にたがるのか、俺には理解できないんだが……まあ、弱点を探ろうというわけじゃない」
「ならば何のために!」
「昨日、あの後考えたんだ、君たちは俺に対してかなりよこしまではあっても好意を伝えてくれる、だが、それをすげなく断るには俺はあまりにも君たちの事を知らないのではないかと、ね」
「真面目だな、そんなところも……くっ、殺せだ」
「ところで、君たちはどうして一緒にいるんだい? それにワンピースまで揃いで、何かのイベント?」
「知らないのか、私とアリシアはルームメイトなんだ」
「え、そんなこと、身上書には……」
「ククククク、貴様の情報網もたいしたことないな」
「あ、でも、他の情報は載ってるよ、スポーツ特待生、アーニャ=ハモット、あだ名は脳筋」
「脳筋いうなぁあ!」
「そうだね、あだ名ほど筋肉ムキムキじゃないもんね」
「そういうことではなくてだな……」
そこへ、エルフがお茶の載ったお盆を差し入れた。
「まあまあ、いっぱいしゃべって喉が渇いたでしょう? 新しいお茶をいただいてきたので、冷めないうちに召し上がれ」
「おお、気が利くなあ」
ベオは何の疑いもなくカップを手に取り、口をつけた。
「まあ、ともかく、そういうわけでさ」
身上書をぺらぺらとあおって見せる。
「ちゃんと考える。その上でちゃんと断るなり、付き合うなりするから、それで勘弁してくれないか?」
「そうですね、でもその身上書には書いてない、いちばん大事な情報が欲しくはありませんか?」
「一番大事な? って……ぐはあっ!」