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溺愛〜あたしだけの王子様〜
第2章 後編
『変質者ぁ?
夕輝くんママ、それって本当なの?』
爆破予告騒動が何事もなく終わって数日後。
あたしは久しぶりに会った夕輝くんのママと立ち話をしている。
「本当らしいわよ?
ほら、隣のクラスの沙優ちゃんと乃愛ちゃんも遭ったんですってよ」
『まああ〜〜怖いですわね……』
夕輝くんママは33歳で、
旦那さまは航空会社のエンジニアをしている。
単身赴任で各地を転々としているため、
いつもママと夕輝くん・弟の達輝【タツキ】くんと3人暮らしに慣れているそうだ。
そのためか、
時人が毎日遊びに伺っても嫌な顔一つしない。
キレイな黒髪をシュシュでまとめている清楚系美人だ。
「こんな事言っちゃ失礼だけどね?
うちもお宅も男の子だけでしょ?ちょっとホッとしちゃうわね」
確かに。
あたしが襲ったのは、
時人宛てにラブレターを寄越した11人の女子ばかり。
2日目は丸1日かけて、
残りの女子に猥褻な行為を軽〜くしたあと写真をパチリした。
『………ですわね。
でも、怖いわ〜。
ニュースでも連れ去りなんかもありますし気をつけて言い聞かせておかないと』
「そうねぇ。
私は防犯ブザーも学校用バッグに付けてあるのよ〜〜〜………」
夕輝くんママは防犯グッズのいろはを語り始めた。
あたしはさも勉強になるとばかりに聞く。
同学年のママ友達は、
大概があたしより年上だ。
だからあたしは腰を低くしておく。
良い人ばかりだから、おかしな嫌がらせやら格付けなんかも無い。
けど無難に越したことはないから……
あたしは自分がしゃしゃり出ないように〔大人しい時人くんママ〕をしていた。