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溺愛〜あたしだけの王子様〜
第2章 後編
ストーカー化しちゃったらどうしよう?


隣の奥さんに一礼しながらマンションに戻ると、
異様なギラつきの宏樹くんの目が蘇った。



(まぁ様子を見よう……
宏樹くんも真面目だし、
かやはらの跡継ぎなんだから。
おかしなことはしないはずよ)



あたしは1人納得した。


その1時間後のことだ。



ピリリ〜〜〜♪♪♪
ピリリ〜〜〜♪♪


スマホの呼び出し音が鳴った。

『?誰かしら…』
知らない番号が表示されている。


『もしもし?』
鳴り止まないため、
出てみた。



「………もしもし、
ママぁ………」


『あらっ?時人?
番号が違うわよ?』


「うん……あのね………」時人の声が小さくて、
震えている。

『どうしたのっ!!』
あたしはびっくりして、
つい大声で訊いた。



「あのね……
男のひとに、どこかに連れてかれてる……ママが待ってるんだって…」


『……ええっ???
と、時人……今どこにいるの?!』


「……え、分かんない……あのね……あ、離してよぅ」
何やら揉めている。

『時人!!
時人ってば!』


「――もしもし、
碧さん?」


この声は………


『宏樹くん?!
なっ、なぜ時人と一緒にいるのっ?』
さっきまでここに居たのに!

「………碧さん、俺のものになってよ……
なってくれるなら、時人くんは返すからさぁ…」




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