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溺愛〜あたしだけの王子様〜
第2章 後編
「……無理なんだ?
………じゃあ、時人くんはどうなってもいいんだね」ブチッ。


一方的に通話が切られてしまった。



あたしは叫びそうになるのを手のひらを口に当てて堪える。



(どうしよう……
たーくんには……い、言えない………)

もし、宏樹との行為全てがバレてしまったら……


時人が悲しむ。



あたしは『落ち着いて…………はぁ、はぁ……』
と暗示をかけるように自分に言い聞かせた。



『……大丈夫………
大丈夫よ、時人はあたしが守るんだから…!!
あ、そうだ』

あたしはスマホをスクロールして、
時人の携帯のGPS機能をチェックする。




―――本当だ。
GPSは、区を出て郊外へと向かっていた。


あたしは抜けそうになる腰に力を入れる。
『許さない………
あたしの時人を…………』


あたしは直ぐに上着を羽織るとタクシーを呼んだ。
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