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溺愛〜あたしだけの王子様〜
第2章 後編
通話は続いている。



白い、洋館のような2階建ての建物がある。

『この白い建物ね?』

見ると、
敷地内に〔かやはら精肉店〕と書いてあるバンがあった。


あたしは駆け寄る。

バンの中を見るが、
時人の姿がない。


「そのまま中に入ってきて」


『……分かったわ……』

あたしは玄関らしき入り口を引いて開き、
中に入った。


普通の家のようにキレイに整っている。


本当に〔かやはら〕の別荘なんだわ。


あたしは、
ゆっくり奥へ進んだ。

「やあ。
やっと来てくれたんだね」振り返ると、
宏樹が穏やかな笑みをたたえて立てっていた。


『………時人はどこ?』
あたしは焦れた。


「ちょっと待ってよ……
時人くんに逢いに来たの?違うでしょ?」


あたしは息を吸う。
『そうね………宏樹くんに逢いに来たんだものね』
と呼吸を整えつつゆっくり話す。
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