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溺愛〜あたしだけの王子様〜
第1章 前編
さてと。


今日は例のバースデー会があるのよねー……



『時人ぉ?
起きなさーい』
あたしは子供部屋をノックした。



「起きてるよぅ」
時人は目を擦りながらベッドに座っていた。




朝、時人のアソコは元気になるんだから……
ノックするのも聞き耳を立てながらだわ。


『お熱、どうかしら?』
あたしは屈んで時人の額に手を当てた。
『冷たいね?
計ってみようか』

時人に電子体温計を渡すと、
ワキに挟んだ。



白い胸が光っててキレイだわ。


ピピッ♪♪

直ぐ計測完了の音がした。
「36、0だよ。
今日は学校行きたかったんだ〜」


あたしは胸に不穏な気持ちが湧いた。

『今日はって、
バースデーパーティーが楽しみなの?』


時人は欠伸をしながら「違うよぉ〜。
今日午前中に理科があるからだよー。やっと塩酸を使った実験ができるんだ」
と着替え始めた。



時人は特に理科と算数が好きだ。
テストは毎回100点ばかり。


あたしは胸を撫で下ろす。
『なんだ〜、
バースデーパーティーが楽しみなのかと思ってたわ。時人お友達思いだし』
あたしはキッチンで食パンを焼いて、冷蔵庫からスムージーと名古屋コーチンの卵を取り出した。


赤みが混じった名古屋コーチンの卵を、
スクランブルエッグにして時人に出す。


時人はスクランブルエッグも好物。


「んー、それも楽しみだけどね」
時人は大人びた口調で言うと丁寧な所作で食べ、
「ごちそうさまでしたー」と洗面所へ駆けていく。
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