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溺愛〜あたしだけの王子様〜
第1章 前編
つまりはこのNホテルにあたし自身コネクションがある。


〔ホーム〕だから、
敵は一切いない………



あたしは最上階のスィートルームに入ると、
驚き過ぎて体が硬直したまま無言の宏樹くんに抱きついた。


『早くぅ………
お夕飯までに帰らなきゃいけないの………』
悩ましげに吐息をはく。


宏樹くんは「碧さんっ…………!」
とあたしを抱え、
ダブルベッドに押し倒す。


『ああん、
もうびちゃびちゃだよぉ…………』


速達便ならば、
夜には着くだろうか。


結愛菜は自分宛の見るからに〔ファンからのプレゼント〕に警戒をするかしら?
編集部を通さないものに、警戒するのかしら。




そんなはずはない。
――――小学生の、
たかが読者モデルは自尊心を高めるためならば警戒心なんかそっちのけになるだろう。

豚の脳ミソにミミズが混じった、
特製プレゼント。
〔いつも可愛いあゆな☆がスキだよ♪こんなふうにぐちゃぐちゃにしたいなぁ。本当に愛してまぁす♪♪〕とメッセージカードを添えた。
中身は可愛くリボンでラッピングしておいた。
宏樹くんは隣県の配送センターから速達で郵送に出したと言う。



メッセージカードの裏面には、
〔あゆな☆ぐちゃぐちゃ☆あゆな☆ぐちゃぐちゃ☆あゆな☆ぐちゃぐちゃ☆あゆな☆ぐちゃぐちゃ☆あゆな☆ぐちゃぐちゃにしたい!〕
と文字をプリントしておいた。


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