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溺愛〜あたしだけの王子様〜
第2章 後編






『えっ?………
時人、それホントなの?』

数日経ち、
夕飯の支度をしていたあたしに沈痛な表情で時人が「いじめられている」
と溢した。
学校から帰ったところだ。

あたしは包丁を置き、
『時人………
いつからなの?
誰からされてるの?』
と詰問口調にならないように気をつけながら訊ねる。


座ろうか、とリビングのソファーに並んで座った。



「一昨日から……
上履きが片方無くなったり、ノートが破られてたんだ。
で、
俺はそんな意地悪をされるようなことをしてないし……。夕輝やタカは全く変わらないし、普通だよ。「誰だよ、こんなことすんの?」って一緒に怒ってくれた。
で……思いきってホームルームで言ってみた」


『何て?』
あたしは心配で心臓がバクバク跳ねた。


「僕の上履きが片方だけなくなったり、
ノートが破られてます。
僕は覚えはないけれどもし嫌なことをしたのならちゃんと言葉で伝えて下さい………
そう言ってみた」


『みたら?』


「………女子何人かが、
〔自分が酷いコトしてきたのにサイテー〕って……
声揃えて言ってきた。
俺、本当に何もしてないんだもん!」


『わかったわ、
わかった時人………』


時人は悔しそうに目に涙を溜めている。


『ママからナカタ先生に話してみるわ。
いい?話してみても…』


時人は無言で頷いた。


「……今日夕輝が励ましてくれた。俺らは味方だからなって。
これ、くれたんだ」
ポケットからミニチュアのロボットが出てきた。

今流行ってるアニメの正義の味方・ヒーローだ。

『夕輝くんに感謝だね。
………大丈夫、ママが守ってあげるからね!』


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