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溺愛〜あたしだけの王子様〜
第2章 後編
片付けをしていると、
子供部屋のある辺りからカタンと音が聞こえた。



あ。
――もしかして……


あたしは時間を置いて、そ〜っと忍び足で子供部屋の入り口まで歩いた。


〔ぷりんケーキ〕はキレイに全て食べている。


あたしは心底ホッとして、嬉しくなった。


やったぁ♪
時人が元気出したわ〜!



キッチンで小躍りしていると、
旦那が帰宅した。


『たーくん、おかえりなさぁい』

あたしは時人が受けた嫌がらせ・時人の言い分、
ナカタ先生の対処……を旦那に話した。



「………うーん……
時人は何もしてないと言ってるし、
嘘をつくような子じゃないしなぁ。
女子何人かだけ?」


『そうみたい。
ホームルームの時に反論してきたのは…。
ナカタ先生が明後日連絡くださるし、
時人が傷ついているから根掘り葉掘り訊くのもダメかなって思って』



「うん……
難しい年頃だものな。
女子だけってことは、
恋愛絡みだったりするのかねぇ」
旦那はお猪口をクイッと口に傾ける。


『あ』


「え?
何だ?何か思い当たる節あるの?」


『ううん!
早く嫌がらせが止まればいいなーって思って』
あたしは誤魔化した。



もしかして………

もしかして、
あたしが代筆したラブレターの返事??
逆恨みなのかしら。


思い当たって、
青ざめる。



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