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溺愛〜あたしだけの王子様〜
第1章 前編
『あらやだ、6人分だなんて!
ありがとうございます。
そちらのお肉、何のお料理に使ってもプリップリで…一口だけでとろけるんですのよ』



女主人はさらに明るい声で「そうぉ?
あたくし自ら買い付けに出てますからね……
出来上がり次第お届けで良いかしら?」
と鼻の穴が広がっているのが見えるようだ。



『まぁ、そんなことまで?さすが〔かやはら〕さまですわね………
他店で宅配している店なんて、ろくなところじゃありませんもの。
ええ、お待ちしてますわ。はい、ありがとうございます』

あたしはTELを切る。




ようし……
ミートグラタンがもうすぐ出来る。

〔かやはら〕のナゲットはそう時間がかからず届くはず。

時人は少食なほうで、
一度に沢山は食べない。

時間を空けてプリンを食べるくらいがちょうど良いわ。



あたしは冷蔵庫を開き、
ボトルでストックしてある『りんごジュース』
を取り出してグラスに注いだ。

『時人〜。
入るわよぉ』


入ると、時人はうとうとしていた。
『はい。りんごジュース置いておくわね♪』
あたしはベッドサイドにグラスを置いて直ぐ部屋を出た。
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