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凍える月~吉之助の恋~
第5章 第二話 【鈴の音】 二
今の吉之助は、お絹を全力で守り抜こうとする確固たる意思に突き動かされていた。
吉之助はしばらくお絹のやわらかな髪に顔を埋めていた。が、すぐに自分の中の想いを振り切るように、お絹から離れた。
「もし、俺を呼びたいときには、これを振れ」
その言葉と共に差し出されたのは、大ぶりの鈴であった。赤子の握り拳ほどの大きさの赤い鈴に紐がついている。
「助けを呼べねえときは呼ぶ代わりに、これを思いきり振るんだ、良いな」
吉之助が振ると、赤い鈴はチリチリと澄んだ愛らしい音を闇に響かせた。
吉之助の手がお絹の髪にそっと触れた。
「これを振れば、俺はどんなときでも必ずお前を助けにくる」
吉之助の声はお絹の心に深く届いた。お絹は吉之助を見て頷き、吉之助の貌に微笑が浮かんだ。
吉之助はしばらくお絹のやわらかな髪に顔を埋めていた。が、すぐに自分の中の想いを振り切るように、お絹から離れた。
「もし、俺を呼びたいときには、これを振れ」
その言葉と共に差し出されたのは、大ぶりの鈴であった。赤子の握り拳ほどの大きさの赤い鈴に紐がついている。
「助けを呼べねえときは呼ぶ代わりに、これを思いきり振るんだ、良いな」
吉之助が振ると、赤い鈴はチリチリと澄んだ愛らしい音を闇に響かせた。
吉之助の手がお絹の髪にそっと触れた。
「これを振れば、俺はどんなときでも必ずお前を助けにくる」
吉之助の声はお絹の心に深く届いた。お絹は吉之助を見て頷き、吉之助の貌に微笑が浮かんだ。