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凍える月~吉之助の恋~
第5章 第二話 【鈴の音】   二
 お絹の中で吉之助への気持ちが微妙に変化していったことを、お絹自身でさえ気付いてはいなかった。むろん、それは異性に対する特別な感情ではなく、伊八へのものとは全く違う。たとえて言うなら兄や父に対するような情に限りなく近いものではあったけれど、お絹と吉之助の間には眼に見えない信頼のようなものが少しずつ育まれつつあった。
 それから十日は何事もなく過ぎた。
 以蔵の放った刺客の影も見えず、お絹はどこかで以蔵も流石に諦めたのではないかと思い始めていた。それでも家の表口からそっと外の様子を窺うと、相変わらず大木の幹に寄りかかる吉之助の姿が見えた。何を考えているのか、離れた場所からではその表情までは判らない。腕組みをして、じっと眼を閉じているようでもあった。
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