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凍える月~吉之助の恋~
第5章 第二話 【鈴の音】 二
「ザマはねえや。惚れた女の前でみっともないったらありゃしねえな」
吉之助がうっすらと眼を開いた。
「お前には済まないことをした。こんなことで罪滅ぼしをしたとは思っちゃいないが、許してくれねえか」
お絹の眼に涙が溢れた。吉之助はお絹をじっと見つめた。
「お前には恨まれて当然のことをしたからな。何を今更と思うだろうが」
吉之助を恨んでいないと言えば、嘘になる。自分の身体を陵辱し、責め苛んだ男だ。あのときの吉之助には情け容赦はなかった。
「最初は以蔵から命じられて、お前をさらってきた。だが、自分でも知らねえ中にお前に惚れていた。お前は俺がこれまで見たこともねえ女だった。自分がとっつかまってるのに、俺に以蔵の言いなりになるだけで淋しくはねえのかと本気で訊いてきた」
吉之助がうっすらと眼を開いた。
「お前には済まないことをした。こんなことで罪滅ぼしをしたとは思っちゃいないが、許してくれねえか」
お絹の眼に涙が溢れた。吉之助はお絹をじっと見つめた。
「お前には恨まれて当然のことをしたからな。何を今更と思うだろうが」
吉之助を恨んでいないと言えば、嘘になる。自分の身体を陵辱し、責め苛んだ男だ。あのときの吉之助には情け容赦はなかった。
「最初は以蔵から命じられて、お前をさらってきた。だが、自分でも知らねえ中にお前に惚れていた。お前は俺がこれまで見たこともねえ女だった。自分がとっつかまってるのに、俺に以蔵の言いなりになるだけで淋しくはねえのかと本気で訊いてきた」