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凍える月~吉之助の恋~
第8章 第三話 【初戀】 二 
 少年の春の目覚めは、突然に訪れた。陽太はお絹の腕の中で夢見心地になっていた。井戸端にひっそりと咲くつわぶきの花の黄色が鮮やかに陽太の眼に映じていた。
 思いのたけを吐き出すように、陽太はお絹の胸に顔を押しつけて泣いた。

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