この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
凍える月~吉之助の恋~
第1章 【第一話 凍える月~お絹と吉之助~】 一
 川越まで追わないというのは、吉蔵が下っ端の子分だったから深追いしないということもあるし、伊八に言わせれば、以蔵の縄張りはあくまでも江戸に限られていて、川越にはまたその土地の裏の世界の仕切人がいるらしい。
 だからこそ、吉蔵にまんまと逃げられた以蔵の怒りは尚更激しいのだろう。我が身のことも忘れ果て、お絹は精治と吉蔵の無事を知り、安心していた。いつでも自分の身より他人のことばかり案ずる気性のお絹なのだ。
 「良かった」と呟くお絹を男は冷めた眼で見ていた。
「馬鹿な女だ」
 男は吐き捨てるように言い、背を向けた。
「お前のような人間を見ていると、虫酸が走る。偽善者ぶった人間は大嫌いだ。ま、せいぜい他人より自分の身を心配するんだな」
/422ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ