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凍える月~吉之助の恋~
第9章 第三話 【初戀】 三
 十ヶ月前、今年の正月明け、父母に見送られて甚平店を出た日がつい昨日のように懐かしく思い出される。あのときの希望に溢れた気持ちをもう一度呼びさますのだ。陽太はともすれば泣きそうになるのをぐっとこらえた。
 長屋の共同井戸の傍を通る時、ふいに眩しいほどの黄色い花が眼を射た。とうに咲き終わったはずの、つわぶきの花がまだ一輪だけ咲き残っている。陽太はじっとその黄色い花を眺めた。陽太の心に一人の女の笑顔が浮かんで消えた。
 陽太は強い眼差しで花を見つめながら、その場に立ち尽くしていた。

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