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凍える月~吉之助の恋~
第10章 第四話 【はまなすの子守唄】 一
どんな極道でも、あいつにとっては、たった一人の弟には違えねえ。お縞は吉之助とはたまに逢ってたようだな。まぁ、逢うとは言っても、吉之助が思い出したように店に呑みにくるのを待つだけだったようだが」
結局、留七は、お縞が吉之助と逢うのを止めることはできず、見て見ぬふりを続けた。吉之助はたまにお縞の前に現れては、近況などをそれとなく話していったようだ。そして、その二年の間に吉之助はお絹と運命的な出逢いを果たし、惚れた女を守り抜いて亡くなった。
留七が何事かを思い出すような表情になった。
結局、留七は、お縞が吉之助と逢うのを止めることはできず、見て見ぬふりを続けた。吉之助はたまにお縞の前に現れては、近況などをそれとなく話していったようだ。そして、その二年の間に吉之助はお絹と運命的な出逢いを果たし、惚れた女を守り抜いて亡くなった。
留七が何事かを思い出すような表情になった。