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凍える月~吉之助の恋~
第10章 第四話 【はまなすの子守唄】 一
「大丈夫だ。お彩はきっと見つかる。何しろ、あいつは俺たちの子だから、運は良いはずだからな」
励ますような口調に、お絹も微笑んで見せる。お絹は我が身の中にあった物想いを慌てて追い払うように、首を振った。こんなにお彩のことを案じている伊八を前に、吉之助のことを考えていた自分を心底罪深い女だと思いながら―。
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