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凍える月~吉之助の恋~
第11章 第四話 【はまなすの子守唄】 其の参
お絹に向け、容赦のない問いが飛んでくる。お絹は吸い込んだ息をそっと吐き出した。
「自分でもよく判りません」
短い沈黙が落ちた。
「ハ、そんないい加減なことを言って」
お縞が嗤った。
が、お絹は、はっきりと言った。
「本当に判らないんです。多分、好きだとか愛しているとか、そんな気持ちとは少し違うと思います。でも、吉之助さんは―」
お絹は大きく息を吐き、一語一語区切るように言った。
「私にとっては、とても大切な人の一人です」
その応えが精一杯だった。だが、もしかしたら、本当にお絹の吉之助への想いをいちばん的確に言い表しているかもしれない。
「自分でもよく判りません」
短い沈黙が落ちた。
「ハ、そんないい加減なことを言って」
お縞が嗤った。
が、お絹は、はっきりと言った。
「本当に判らないんです。多分、好きだとか愛しているとか、そんな気持ちとは少し違うと思います。でも、吉之助さんは―」
お絹は大きく息を吐き、一語一語区切るように言った。
「私にとっては、とても大切な人の一人です」
その応えが精一杯だった。だが、もしかしたら、本当にお絹の吉之助への想いをいちばん的確に言い表しているかもしれない。