この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
凍える月~吉之助の恋~
第11章 第四話 【はまなすの子守唄】 其の参
「いずれ、お絹さん、あんたとそこの亭主との間にも赤ン坊が生まれるだろう。そうしたら、お彩は厄介者になっちまう。今は亭主もお彩を可愛がってくれるけど、誰だって自分の血を分けた子どもが可愛いのは当たり前だよ。だから、そんなことにならない中に私がお彩を引き取って育てるのさ。吉之助の遺した、たった一人の忘れ形見にそんな哀しい想いはさせられない」
と、伊八がお縞の言葉を遮るような勢いで叫んだ。
「俺はそんなことはしねえ」
「フン、今は何とでも言えるさ」
お縞はどこまでも頑なだ。が、伊八も負けてはいない。
と、伊八がお縞の言葉を遮るような勢いで叫んだ。
「俺はそんなことはしねえ」
「フン、今は何とでも言えるさ」
お縞はどこまでも頑なだ。が、伊八も負けてはいない。