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凍える月~吉之助の恋~
第11章 第四話 【はまなすの子守唄】 其の参
「そんなことはねえ。俺にはちゃんと判る。何故なら、お彩はお彩だからだよ。俺にとって、お彩はこの世でたった一人、どこにもいねえ、俺だけのお彩だ。たとえこれから先、何人のガキができようと、お彩に代わる子どもはいやしねえんだ。だから、俺は自信を持って言える。俺はお彩は誰にも引けを取らねえほど可愛がれるし愛してやれる」
お絹の眼に涙が溢れた。
伊八にとって、お彩はたった一人、どこにもいない伊八だけのお彩なのだ―。そのたった一つは万の言葉を集めるよりもお絹の心に滲みた。
「お彩はこの世でたった一人」
お縞も烈しい衝撃を受けたようだ。しかし、彼女にもこの言葉の意味は通じたようである。
お絹の眼に涙が溢れた。
伊八にとって、お彩はたった一人、どこにもいない伊八だけのお彩なのだ―。そのたった一つは万の言葉を集めるよりもお絹の心に滲みた。
「お彩はこの世でたった一人」
お縞も烈しい衝撃を受けたようだ。しかし、彼女にもこの言葉の意味は通じたようである。