この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
凍える月~吉之助の恋~
第11章 第四話 【はまなすの子守唄】 其の参
「―あたしの亭主も馬鹿だけど、あんたもつくづく馬鹿だよね」
ややあって、お縞が零した言葉だった。
やがて、お縞がすっと腕を差し出した。その腕にはすやすやと眠るお彩の無邪気な姿があった。
お彩の衿許には赤子の拳大の鈴が縫いつけられている。それは他ならぬ吉之助がお絹に手渡した鈴であった。以蔵が放った刺客に襲われた際は、その鈴を鳴らして知らせろと吉之助は言った。
事実、その赤い鈴はお絹の生命を救うことになったのである。鈴の音を聞いて駆けつけた吉之助が盾になって、お絹を刺客から守った。
ややあって、お縞が零した言葉だった。
やがて、お縞がすっと腕を差し出した。その腕にはすやすやと眠るお彩の無邪気な姿があった。
お彩の衿許には赤子の拳大の鈴が縫いつけられている。それは他ならぬ吉之助がお絹に手渡した鈴であった。以蔵が放った刺客に襲われた際は、その鈴を鳴らして知らせろと吉之助は言った。
事実、その赤い鈴はお絹の生命を救うことになったのである。鈴の音を聞いて駆けつけた吉之助が盾になって、お絹を刺客から守った。