この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
凍える月~吉之助の恋~
第12章 第五話 【雪うさぎ】 壱
その夜。
夕飯を終えて、お彩を相手に遊ぶ伊八に、お絹は先生の話を打ち明けた。夕飯の後片づけもすべて終え、ひとときの団欒の時間である。
キャッキャとはしゃぐお彩を膝に乗せ、伊八は考え深げな顔でお絹の話に聞き入った。
「お絹、お前、いつものアレが始まったんじゃねえのか?」
と問うのに、お絹は眼を見開く。
「お前はどうもお人好しってえいうのか、世話好きというのか、他人(ひと)の悩み事にやたらと首を突っこみたくなる性分でいけねえ。親切は結構だが、度を越せば、単なるお節介になっちまう。それに、お前自身が思わぬ揉め事に巻き込まれて危ねえ目に遭わねえとも限らない。俺は何より、それがいちばん心配なんだ」
夕飯を終えて、お彩を相手に遊ぶ伊八に、お絹は先生の話を打ち明けた。夕飯の後片づけもすべて終え、ひとときの団欒の時間である。
キャッキャとはしゃぐお彩を膝に乗せ、伊八は考え深げな顔でお絹の話に聞き入った。
「お絹、お前、いつものアレが始まったんじゃねえのか?」
と問うのに、お絹は眼を見開く。
「お前はどうもお人好しってえいうのか、世話好きというのか、他人(ひと)の悩み事にやたらと首を突っこみたくなる性分でいけねえ。親切は結構だが、度を越せば、単なるお節介になっちまう。それに、お前自身が思わぬ揉め事に巻き込まれて危ねえ目に遭わねえとも限らない。俺は何より、それがいちばん心配なんだ」