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凍える月~吉之助の恋~
第13章 第五話 【雪うさぎ】 弐
お絹は二人に何とか幸せになって欲しいと願わずにはおれない。伊八の言うように、余計なお節介かもしれない。だが、お絹はこのままじっと見過ごしにすることはできそうになかった。
どこへ行ったものか、いつしか、はしゃいでいた子どもたちの姿は消えている。女の子たちの作った雪兎がポツンと一匹、忘れ去られたように置き去りにされているのが、どこか哀しげに見える。既に冬の陽は頭上高く輝いている。小さな雪の兎は陽光に照らされて、少しずつ溶け始めていた。
どこへ行ったものか、いつしか、はしゃいでいた子どもたちの姿は消えている。女の子たちの作った雪兎がポツンと一匹、忘れ去られたように置き去りにされているのが、どこか哀しげに見える。既に冬の陽は頭上高く輝いている。小さな雪の兎は陽光に照らされて、少しずつ溶け始めていた。