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凍える月~吉之助の恋~
第13章 第五話 【雪うさぎ】 弐
 拓馬が笑った。
「別に身代わりだなどと、たいそうなことをしたと思うているわけではない。わしには妻の里絵の他には守るべき家族がいるわけでもない。又之進はまだ新婚で、しかも妻は産み月を控えた大切な身体だった。まもなく人の親となる歓びを噛みしめる若い夫婦をそっとしておいてやりたかった、ただそれだけのことよ」
 まるで当然のことをしたまでと言わんばかりの物言いがいかにも拓馬らしかった。
 拓馬は自分が釆女を殺(や)ったという書き置きを残し、藩を出奔した。妻里絵はその前に里に帰した。
「だからって、無理に先生が犠牲になることないじゃない。先生は馬鹿よ、大馬鹿よ」
 お絹の眼に涙が溢れた。
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