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凍える月~吉之助の恋~
第16章 第七話 【辻堂】  一
 「神業」と呼ばれたほどの腕を持つ稀代の名工も六十の坂を越えてからは、しきりに体力の衰えを訴えるようになった。殊に職人にとっては生命ともいえる手が道具を持った際にわずかに震えるようになってからというもの、喜作は潔く引退を決意し、唯一の愛弟子伊八に自分の得意客すべてを譲った。喜作ほどの腕を持つ職人の丹精した品ばかりを見てきた―、つまり眼の肥えた人たちばかりが自分の簪に満足してくれるのかと案じていたようだったが、それは杞憂に終わった。
 伊八の作り上げた簪は繊細さでいえば、かつて「名人」と呼ばれた師匠をも凌ぐほどのものがあり、更に喜作にはない大胆さが潜んでいた。伊八が心配するまでもなく、喜作の顧客(とくい)はそのまま伊八を贔屓にしてくれるようになった。
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