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凍える月~吉之助の恋~
第16章 第七話 【辻堂】  一
 一体、お彩は父の伊八にも母のお絹にもまるで性格が似ていなかった。お絹はたおやかな外見とは裏腹に内に烈しさを秘めてはいるけれど、それはたとえていえば、青く清々しい凛とした若竹のようなしなやかな強さであり、お彩の気性は時に何もかも灼き尽くす焔のような烈しさ、荒々しさだ。
 お彩は母譲りの美少女であり、成長の暁にはさぞかしと思えるほどであったけれど、彼女自身、自分が父親には少しも似ておらぬことにおぼろげながら気付いていた。このことが後に悲劇をもたらすことになるとはむろんまだ、幼い彼女もお絹も知ることはないのだが―。
 娘をじいっと見つめているお絹の瞳は、どこまでも静かで澄んでいる。そのお絹の顔が綻び、微笑がひろがった。
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