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凍える月~吉之助の恋~
第3章 第一話 【凍える月~吉之助の恋~】 三
 玄関で声をかけても応(いら)えがないのはいつものことで、伊八はそのまま庭へ回った。案の定、喜作はしゃがみ込んで、庭の草むしりをしていた。小さいながらもよく手入れのされた庭は喜作の自慢である。
「親方、お呼びだそうで」
 伊八が控えめに声をかけると、喜作はゆるりと振り向いた。
 冬とはいえ、日中の陽差しは幾分やわらかくなってきている。
 既に睦月も末、お絹がかき消すようにいなくなってから、随分と日が経ったような気がする。これだけ探しても髪の毛ひと筋ほどの手がかりも得られないとすれば、もしやと絶望的な予感が時折ちらりと伊八の脳裡をよぎる。
 その都度、それを打ち消すのだったが、伊八の辛抱ももう限界に達していた。喜作は早春の予感を感じさせる陽差しに眼を細めている。
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